2016.09.23
今回は自損事故をされたお客様の修理です。
しかも保険ではなく、自費による修理なのでできるだけ修理費を抑えてほしいとのご要望でした。
安心してください。とにかく安くなおしますよ!
安くするために、部品交換を「0円」にします、そのために全て修理します。
車両はフロントバンパーにキズと変形、左フロントフェンダーが大きく変形し、さらに左フロントフェンダー
が後方に下がってドアー部分に重なっています。ヘッドライトも衝撃により取付け部が折れています。
これらをすべて「修理」で進めます。
↓フロントフェンダーが大きく変形して、ドアーに干渉しています。
↓フロントバンパーとフロントフェンダーが大きく変形しています。
更にこの写真では見えませんがヘッドライトの取付部分も折れてしまっています。
↓修理後
それでは修理過程をご紹介します。
まずはフロントバンパー、ヘッドランプを外します。
ヘッドランプの取付け部が破損しています。
ヘッドランプのハウジングは樹脂で作られています。
破片さえあれば、ほとんどの場合は修理が可能です。
最近のヘッドランプは従来のハロゲンランプから、より明るいディスチャージランプ(HID)に移行しています。
更にはLEDランプに変化してきて、最近では一般的な大衆車でも片方が12万円もする非常に高価なヘッド
ランプが装着されている車もあります。
ちょっとした接触でレンズ表面にはキズもなく、照度にも問題がないけれど取付け部が折れてしまった。
そんなケースでは修理をして再使用をすることで費用を抑えて修理できます!
じっくり取付け部を見れば修理をしたことはわかりますが、機能や強度は問題ありません。
しかも取付け部なので、外見からはわかりません。
破片を合わせて、電気コテで溶かして仮付けをします。
↓左写真のステンレスの補修用クリップを右写真のヒーターを使って電気を通し、熱して樹脂の中に埋め込み
ます。本数をたくさん使えば十分な強度を持たせることができます。
電通しながら押し込んでいきます。樹脂の肉厚に合わせて、中ほどまで押し込みます。
充分な強度になるように本数を重ねます。
終わったら飛び出している部分を切り取って、ならして美観を保ちます。
次はフロントフェンダーの修理です。
かなり変形しているため、ボディから外してしまうと寸法を維持するのが難しくなるため、ボディに取り付け
たままで修理を進めます。
徐々に形を戻していきます。
静止画ではわかりにくいですね、動画でご紹介することも検討します。
ハンマーと当て盤、さらに腕力で変形を直し、デコボコを均していきます。
だいぶ戻ってきたところで、ヘッドランプと合わせて確認も行います。
さすが40年のベテラン(濃い腕毛が目印)、この作業は10分程度です。
今度はバンパーです。
こちらも樹脂製品なので少々の凹み、引っかき傷は修理が可能です。
環境問題の観点からも、廃棄ではなく修理をおすすめします。
凹んでいる部分にヒーターで熱を加えながら後ろから押し出します。
熱による粗出しを行ったあとは従来どおりの手法で修理を行います。(ここでは紹介を割愛)
同時に、フェンダーも仕上げに向けて進めます。
形状の整形が終わり、塗装に向けて旧塗膜をサンダーで剥ぎ取ります。
塗膜を剥いだら、シリコンオフ(汚れ、油膜を取り除くもの)でふき取り、パテを塗ります。
パテが乾燥したら、研いで、目の細かいポリパテを塗ります。
また研いで、マスキングをしてサーフェーサーを塗ります。
↓ここまでが板金部門の仕事です。
バンパーも同様に仕上げました。
ここからは塗装部門の仕事にうつります。
ボディー、サーフェーサーを研いでいきます。
サーフェーサーが入っていない、ドアーも「ボカし塗装」を行うために研いでいます。
いざ、ブースの中で塗装です。
しっかり、エアーブローをして、ホコリを除去します。
地味ですが、ホコリが残っていたらとっても目立つので再度塗装を行うことになり、とても重要な作業です。
今回は塗装責任者の副工場長が作業をしています。
乾燥後、組み付けて磨き作業をしています。
ベテラン磨き職人のタカオさんです。日本人です。
写真に写るのでいい顔をしているようですが、ぎりぎり横顔なので無駄な努力でした。
最終完成チェックです。
今回はヘッドライトを外しているので、ヘッドライトの光軸(光の向き=上下左右)を調整しています。
洗車をしたら、ほら完成!
通常、あきらめて部品交換で高くなってしまうものでも、弊社だとこのように板金塗装修理で交換とそん色ない
仕上りをご提供できます!!
ありがとうございました。